1塩漬け
各モモ肉(ハモン)は、その重量によって1本1本厳しくランク付けされます。そして、これからの長い熟成に向け酵素が安定するよう塩漬けされます。これは、ハモン・イベリコ独特の色あいとアロマを引き出すために欠かせない作業です。
2設置
ハモンが一冬を越す自然乾燥庫には、薄明かりが差し込む窓がいくつもあります。この窓を毎日開け閉めし換気を調整することによって、最適な湿度と温度を調整します。2ヶ月の間、山から吹き下りてくる冷たい微風に当てられることによって、ハモンは完璧なバランスを保ちつつ少しずつ熟成を進めていきます。
3乾燥と熟成
冬が去り春が訪れると、ハモンは徐々に夏に向かって気温の変化になじんでいきます。この期間がドン・イベリコのハモンを特徴づける大切なキーになります。
気温が上がるにつれて、ハモンからはゆっくりと水分が抜けていきます。これは「ハモンが汗をかく」と言われる現象で、筋肉繊維に等しく脂肪が浸透していく過程です。この時期にドン・イベリコのハモンは、唯一無二の風味と香りを醸し出し始めるのです。
4ボデガ(熟成庫)での熟成
重さと脂の浸透具合によってクラス分けされたハモンは、地下のボデガに移されます。ここでハモンはそれぞれの重量ごとに、最適な時期がくるまで さらに熟成を進行させます。ボデガでの熟成は24ヶ月を下回ることはありません。
静寂につつまれほとんど光が遮断されたボデガは、60%〜80%の湿度、10度〜14度の気温に保たれます。
ボデガの最終段階では「カラード」呼ばれる作業を行い、ハモンを厳しく選定します。これはハモンの3点を骨でできた「カラ」(先の尖ったキリのようなもの)で刺しハモンのでき具合を確かめるもので、カラを引き抜いた時、ドン・イベリコのハモンからは心地よく、芳しく、濃厚なアロマが鼻孔に広がります。
これらの長い工程はすべて自然製法で行われます。また伝統にのっとった製法でもあります。36ヶ月もの歳月をかけて、ドン・イベリコのハモンは完成するのです。
ハモンのカットにはハモン・ホルダー(ハモネロ)と、2種類のナイフが必要です。1つはハモネロ・タイプと呼ばれる刃が細長くフレキシブルなナイフ。こちらでハモンをスライスします。もう1つは、マチェテ・タイプと呼ばれる刃幅が広くもっと短いナイフ。こちらでハモンのクリーンネスを行います。
1 ステップ 01
ハモンをハモン・ホルダー(ハモネロ)に正しくセットします。ここでの唯一の条件は、しっかりと固定でき、快適にカットできるハモネロを用意することだけです。
2 ステップ 02
クリーンネス:これは脂身、皮、カビに覆われた厚い皮、乾燥と熟成を経て滲んだ液体などをハモンから取り除く作業です。まずナイフを垂直に入れ、ひかがみ(4)周辺のものをカットし、その後ハモンの両側のものを取り除きます。短時間で原木を消費する場合は、この時すべての外皮・脂肪をクリーンネスします。
3 ステップ 03
原木をすぐに食べきってしまう場合には、最も見栄えがする高級部位「パケテ・プリンシパル(A)」からカットし始めます。美しいサシが入った1番ジューシーな部位です。一方、時間をかけて原木を消費する場合は「バビージャ(B)」から切り始めることをおすすめします。これは、最後に原木が乾いてしまうことを防ぐためです。
ハモンをスライスするには、刃が細長くフレキシブルな「ハモネロ・ナイフ」を使います。クリーンネス(5)と補助(6)には、もう1つの短く硬いナイフを使います。
4 ステップ 04
ハモンのカットは、図の矢印にあるように常に平行に、溝や筋をつけず表面が平らになるよう行います。
スライスは、ハモンの全幅が収まるよう、ほぼ透明に近い薄さで切らなければなりません。長さは6、7センチにとどめるのがベストです。「パケテ・プリンシパル」(蹄を上にした状態で)を切る時は、一皿にまんべんなくモモの部位(A)、ランプの部位(C)、スネの部位(D)を盛り合わせることをおすすめします。また、この部位をスライスするには補助カット(5)と(6)が必要です。まず腰骨を外すために、スネとランプを短く硬いナイフで整えます。お皿にはスライスが重さらないよう1枚ずつ、スペースに余裕をもって乗せると美しく盛りつけられます。
5 ステップ 05
ハモンを切り進めてゆくと、最後にはスライスできる限界に達します。骨のまわりに残った肉は、切り落としのような短冊にするとさまざまなお料理に使うことができます。またサイコロ状に切って食べるのもおすすめです。骨はノコギリで10〜12センチほどに切って煮込むと、美味しいスープをとることができます。
ハモン・イベリコはデリケートな製品です。最良のコンディションで保存することをおすすめします。
- ハモンは温度の低すぎない冷暗所に、覆いをかけて保存してください。
- 一旦カットしたハモンは、時間をおかずにお召しあがりください。また、食べる分量のみをカットしてください。
- カット終了後の原木の切り口は、はじめに取り除いた脂身もしくは皮で覆います。こうすることによって表面の脂の鮮度が保たれます。
また、パラフィン紙やラップでハモンを覆うのも効果的です。
- よいよい保存のために、ハモンの上に清潔なふきんをかぶせておくこともおすすめです。